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博士論文 / フィールドテストのための完全デジタル温度電圧モニタに関する研究 A Fully-Digital Temperature and Voltage Monitor for Field Teat

著者

書誌事項

タイトル

フィールドテストのための完全デジタル温度電圧モニタに関する研究

タイトル別名

A Fully-Digital Temperature and Voltage Monitor for Field Teat

著者名

三宅庸資

学位授与大学

九州工業大学 (大学ID:0071) (CAT機関ID:KI000844)

取得学位

博士(情報工学)

学位授与番号

甲情工第314号

学位授与年月日

2016-06-30

注記・抄録

VLSI の高機能化や高性能化,製造プロセスの微細化など,半導体製造技術の進歩の一方で,物理的な劣化現象が信頼性に影響を及ぼす重大な要因となっている.そのため,劣化による故障を事前に検知し,障害発生による突然のシステムダウンを回避することが重要となる.劣化の進行はシステムの運用状況に依存するため製造テストでの検出は困難であり,劣化により生じる故障に対しては出荷後のフィールドでのテストが有用である.VLSI の劣化現象として回路遅延の増加が知られているが,遅延値は温度や電圧等の環境要因により変動するため,劣化による遅延増加を測定するには,VLSI 動作時の温度と電圧のモニタリングが必要不可欠となる.温度や電圧のオンチップセンサ技術は様々な手法が提案されている.例えば,一般的な温度センサとして実用化されているサーマルダイオード等を利用した温度センサは高い測定精度を実現できるが,アナログ回路を利用しているため,チップ内でのモニタ配置の物理制約が厳しく,チップのホットスポット把握の為に多数箇所へ搭載することが困難である.他にも様々な手法が提案されているが,これらの温度や電圧センサは,システムを長期間稼動させ続けた際に発生する劣化現象への対策が施されていないなど,フィールドテストに用いるセンサとしては不向きである.

本論文では,フィールドにおける高精度なオンチップ温度電圧測定手法を確立させることを目的とし,完全デジタル設計が可能なリングオシレータ(RO: Ring-Oscillator) を核とする温度電圧モニタについて提案する.提案モニタはRO の動作周波数が温度や電圧によって変動する特性を利用する.本論文では,複数種類の特性の異なるRO から構成されるモニタを提案し,各ROの周波数と温度の特性,周波数と電圧の特性に対して,重回帰分析を用いることにより,システム運用時の温度・電圧変動による周波数の変化量からチップ内の温度と電圧が計算可能となることを示す.製造されたVLSI は製造バラツキの影響を受けるため,提案モニタに搭載するRO の動作周波数は製造バラツキの影響を受けて変動し,温度と電圧の測定精度が低下する.製造バラツキの影響により生じる誤差を低減するため,初回測定時における周波数測定値と標準環境での周波数測定値の比率を利用したキャリブレーション手法を提案する.そして,製造バラツキが存在していても,精度良くRO 周波数からチップ内の温度と電圧の測定が可能となることを示す.RO として利用可能な論理回路は様々な種類があり,それらのRO の組合せによって温度と電圧の測定精度が変動する.本論文では,利用可能なRO から温度電圧モニタとして精度の良い3 種類の組合せを選択する手法を提案し,温度と電圧が高精度で測定可能となるROが選択可能なことを示す.提案モニタは完全デジタル設計であるため,標準的なセルライブラリで提供された論理セルだけで構成することができ,設計や製造におけるコストが小さい.また,モニタ自身に対する劣化現象の影響を避けるため,提案モニタを構成するRO は耐NBTI (Negative Bios Temperature Instability) 劣化の構造を実現している.

本論文では,180nm と90nm,45nm のCMOS テクノロジを用いた回路シミュレーションを用いて提案手法の測定精度や有効性の評価を行う.180nm CMOS テクノロジにおいて,0~120℃の温度範囲および1.65~1.95V の電圧範囲で,0.99℃の温度測定精度,4.17mV の電圧測定精度を持ち,温度と電圧を同時に測定可能なデジタルモニタであることを示す.また,回路シミュレーションを用いた評価だけでなく,提案モニタを搭載したチップを設計し,試作を行う.試作チップから得られるRO の温度電圧変化特性を測定し,提案手法を適応することで,チップ内の温度と電圧が測定できることを示す.そして,モニタで測定した温度や電圧の測定結果に対する妥当性の評価を行い,温度電圧モニタとして実現可能であることを示す.提案する温度電圧モニタを用いることで短時間測定可能でかつ小規模なモニタを実現でき,チップの高信頼化のみならず,医療用機器やIoT(Internet of Things)機器の環境モニタ等,様々な応用も期待できる.

九州工業大学博士学位論文 学位記番号:情工博甲第314号 学位授与年月日:平成28年6月30日

第1章 序論|第2章 LSI のテストと信頼性|第3章 リングオシレータを利用した温度電圧測定|第4章 温度電圧モニタ回路|第5章 試作チップによる評価|第6章 結論

平成28年度

九州工業大学博士学位論文(要旨)学位記番号:情工博甲第314号 学位授与年月日:平成28年6月30日

目次

  1. 2017-10-02 再収集 / (index.pdf)

キーワード

フィールドテスト, デジタル回路, 温度電圧モニタ, リングオシレータ, NBTI劣化

各種コード

NII論文ID(NAID)

500001013810

NII著者ID(NRID)
  • 8000001114045
本文言語コード

jpn

データ提供元

機関リポジトリ / NDLデジタルコレクション

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